ここだけグルメを味わう

何皿積み上げられる?【出石皿そば】

白い小皿に盛り付けられた名物「出石皿そば」。一人前は5皿ですが、さらさらっと食べられてしまうのがこの蕎麦の不思議なところ。お昼時は1人10皿、20皿と注文するのでテーブルの上はすぐにいっぱいになってしまうんです。薬味を入れたつゆに浸けて、食べた分だけお皿を積み上げていく、ここ出石だけの名物です。

蕎麦屋は40軒以上

出石城下町には蕎麦屋が約40軒あります。基本的な“皿そばスタイル”は同じですが、味や店構え、こだわりはそれぞれ。メニューは皿そばのみというお店も多いだけに、その違いを食べ比べてみたくなります。

薬味はネギ、ワサビ、山芋、大根おろし、鶏卵など。中には一皿目を塩でどうぞというお店も。また、つゆは辛口・甘口各店ごとに個性があります。食べ方にこれといった決まりはないので、蕎麦猪口につゆ、薬味を全部入れるもよし、少しずつ足して味を変えながら楽しむもよし、ぜひあなた流の食べ方を見つけてください。

出石では一般的な薬味のセット(1人前)。蕎麦猪口を使わず皿にかける人も

ルーツを知る

そのルーツは江戸時代までさかのぼります。宝永3年(1706)、出石藩主・松平氏と上田藩主・仙石氏がお国替えになった際、仙石政昭公が信州からそば職人を連れてきたことから誕生しました。また、幕末に屋台で蕎麦を手塩皿(てしょうざら)に盛ったことが現在のスタイルの元になったと言われています。

明治以降は白磁の出石焼を使って提供するのが出石皿そばの伝統となりました。お店ごとに違うお皿のデザインも楽しみのひとつです。

箸を立てた高さまでお皿を積み上げられたら立派な“そば通”。15〜20皿をたいらげると記念品がもらえるお店もあります
個人、団体、家庭円満の3種目。1日で延べ1万皿以上がたいらげられる

100皿たいらげる強者も!

毎年春に開催される「出石そば喰い大会」は、そば処出石の風物詩。県内外から大勢の参加者が訪れ、制限時間内に食べた皿そばの枚数を競います。例年100皿超えのチャンピオンが誕生。
旅の思い出に参加してみるのもアリ!?

同じ味は1軒もない

出石そばの醍醐味は「お店ごとに違う魅力があること」と話すのは、出石皿そば協同組合の理事長を務める武田光弘さん。小さな観光地にひしめく蕎麦屋がしのぎを削ってブランド力を高め、名物・出石皿そばを守ってきたと言います。
「味はもちろん、それぞれに工夫を凝らしてお店の“色”を出しています」と武田さん。それこそお店の数だけあるという独自の売りと味。ご自身のお店でも、ここでしかできない体験をと「そば打ち体験」を自ら指南し、家族連れや団体客の人気を集めています。

出石皿そば協同組合 理事長 武田光弘さん

蕎麦屋めぐりも旅の楽しみに

「町歩きを楽しんだりお店の人と話したり、蕎麦屋めぐりで旅の楽しみが広がれば」と武田さん。出石皿そば協同組合では、たくさんのお店を訪れてもらおうと加盟店34店舗(2023年1月現在)のスタンプラリーを企画しています。スタンプ数に応じて蕎麦にまつわる賞品がもらえますよ。

1軒や2軒で終わらせるのはもったいない。ぜひ食べ比べてお気に入りのお店を開拓してください。


「ここだけグルメを味わう」スポットの楽しみ方

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