温泉で癒される

外湯巡り発祥の地!温泉天国★城崎温泉【外湯めぐり】

柳並木と太鼓橋のかかる大谿川沿いを浴衣姿の人々がそぞろ歩く、昔ながらの日本情緒に溢れる温泉地・城崎温泉。
温泉街には「外湯」と呼ばれる公衆(共同)浴場が7軒点在し、城崎温泉にはこの「外湯」を巡って湯浴みを愉しむ「外湯巡り」を目的に多くの人が
訪れています。

1300年以上湧き続ける霊泉あらたかな城崎温泉

令和2年(2020)、城崎温泉は開湯1300年を迎えました。

城崎温泉の起源には諸説ありますが、養老元年(717)に僧侶の道智上人(どうちしょうにん)が城崎を訪れ、当所鎮守・四所明神の神託によって難病で苦しむ人々を救うために千日間の修行を行ったところ、養老4年(720)に現在の「まんだら湯」の場所に温泉が湧出したのがそのはじまりとされています。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉。温まりやすく、湯冷めしにくいため、湯上り後はホカホカ感が続くのが特長です。

城崎温泉では、旅館の中にある館内浴場を「内湯(うちゆ)」と呼び、まちの中にある公衆(共同)浴場を「外湯(そとゆ)」と呼びます。現在、外湯は「さとの湯」(休業中)「地蔵湯」「柳湯」「一の湯」「御所の湯」「まんだら湯」「鴻の湯」の7軒。泉質はすべて同じですがそれぞれ建物の趣向やご利益が異なるため、さまざまな湯浴みを愉しむことができます。

【外湯のご利益】

さとの湯(休業中)
ふれあいの湯

地蔵湯
衆生救いの湯<家内安全、水子供養>

柳湯
子授けの湯<子授安産>

一の湯
開運招福の湯<合格祈願、交通安全>

御所の湯
美人の湯<火伏防災、良縁成就>

まんだら湯
一生一願の湯<商売繁盛、五穀豊穣>

鴻の湯
しあわせを招く湯<夫婦円満、不老長寿>

そして、外湯の入浴は旅の予定に合わせて3種類の方法から選べます。

 

①各外湯で入浴料を支払う
(大人800円・子ども400円、さとの湯/大人900円・子ども450円)

②一日入浴券を購入する
(​大人1,500円 子ども750円)
その日に営業しているすべての外湯に何度でも入浴が可能

③宿泊する旅館で受け取る外湯巡り券を使用する
(城崎温泉の旅館ではチェックイン日の14時~翌日15時30分まで入浴可能な外湯巡り券がもらえます※一部の旅館を除く)

 

つまり、外湯巡り券が発券される宿泊施設に滞在するか、1日入浴券を利用すれば7つの外湯に何度でも好きなだけ入ることが可能。城崎温泉は「外湯巡り発祥の地」とされています。

まちに根付く「まち全体が一つの旅館」というおもてなしの心

駅は玄関、道は廊下、旅館は客室、土産屋は売店、外湯は大浴場。城崎温泉には「まち全体がひとつの旅館」という言葉があり、まちには旅館とともに外湯、土産物店、かわいいカフェや食事処などたくさんのお店があちこちに点在し、「この街を訪れた人を街全体でおもてなししよう」という考え方が根付いています。また、城崎温泉では外湯の維持と温泉資源保護のため条例で旅館の内湯の大きさに制限が設けられており、大きな浴槽を作ることができません。そのため、旅館の主人たちは自分の宿の宿泊客を囲い込むことなくまちへと送り出し、宿泊客は外湯を巡りながらまち歩きを楽しむという滞在の仕方が作り出されてきました。

城崎のまちの人にとっても大切な「外湯」という場所

外湯は宿泊客や観光客だけでなく、地元の人も利用します。「お風呂は毎日外湯に行く」という人も珍しくありません。「こんばんは~」「お先に~」「ごゆっくり~」「おやすみ~」と声を掛け合ったり世間話に花を咲かせたり。それはまさに”裸の付き合い”で、時に脱衣場では旅行客の着崩れた浴衣を地元のおばちゃんが直してあげるという微笑ましい一コマも。外湯は地元の人にとって生活の一部ともいえる空間で、町民同士の大切な交流の場のひとつなのです。外湯に入っていると「但馬弁(たじまべん)」と呼ばれるこの地独特の訛り言葉を聞くことができるので、ちょっと耳を澄ませてみてください。

また、大正14年(1925)に起きたマグニチュード6を越える北但大震災と火災によってまちが壊滅的な被害を受けた際にも、当時の町長 西村佐兵衛氏は泉源に異常がないことを確認し「城崎町は大丈夫だ。此の湯の湧き出るかぎり城崎町は発展するのだ!」と、茫然自失となったまちの人々を激励。温泉街復興の第一としてまず外湯の復旧から進められ、昭和元年(1926)から昭和7年(1932)にかけて6カ所の外湯を全て新築。土地区画整理を行い、外湯を中心とした旅館、商店、街並みが再興され、昭和10年(1935)には現在の城崎温泉の骨格が概ね完成しました。ちなみに、城崎温泉のシンボルである「一の湯」は、北但大震災の教訓から火災の延焼を防ぐことを目的に、鉄筋コンクリート造りで再建された外湯の一つです(現在の一の湯は、再建当時の外観を踏襲して平成11年(1999)に建て替えられたもの)。このように、昔も今も城崎温泉のまちづくりの中心には「外湯」があり、まちの人にとって「外湯」はなくてはならない場所なのです。

四季折々に異なる魅力がある「外湯巡り」で心身ともにリラックスを

春には満開の美しい桜、柳がいっそう色濃くなった大谿川に花火が映る夏、そして秋は紅葉、冬は雪景色……と、四季折々に表情を見せてくれる城崎温泉。

カランコロンと下駄を鳴らしながらまちを歩き、温泉で心身ほっこりしたら昭和レトロな遊戯場で射的に興じたり、地ビールやスイーツを食べ歩きしたり。気になるお店の暖簾をくぐってちょっと一献、なんて過ごし方もおススメです。その愉しみ方は自由自在。「外湯」のあるまち・城崎温泉ならではの癒され旅を満喫しましょう。

「温泉で癒される」スポットの楽しみ方

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