出石11月の見どころ|「出石お城まつり」歴史香る城下町を歩く

但馬の小京都・出石(いずし)は、歴史ある城下町として知られ、秋が深まる11月には見どころが満載です。
10月末に開催された「出石新そばまつり」では、打ちたての香り高い新そばを味わいに多くの人でにぎわいました。そして、それに続く11月には、出石を代表する一大イベント「出石お城まつり」が開催されます。色づき始めた町並みとともに、伝統と文化を感じる秋のひとときを過ごしてみませんか。

1.出石お城まつり ― 歴史と華やかさが交差する秋の風物詩

出石の秋を語る上で欠かせないのが、毎年11月3日(文化の日)に開催される、出石最大の秋まつり「出石お城まつり」です。例年9:00から16:15まで開催され、町全体が熱気に包まれます(少雨決行)。

出石城跡を中心に、地元小中学校の音楽隊パレードや各団体によるダンスパフォーマンスが祭りに華を添えます。そしてメインイベントは、荘厳な時代行列や甲冑に身を固めた武者行列が城下町を練り歩く大名行列です。
なかでも「大人大名行列」の槍振り(やりふり)は、江戸時代末期の藩主夫人の帰国に由来する伝統の演目。勇壮な槍さばきと「インサヨーイ!」といった独特の掛け声が、最大のクライマックスとなります。可愛らしい衣装をまとった「子ども大名行列」も祭りに華やかな彩りを添えます。
歴史衣装に身を包んだ人々が旧町家通りを進む光景は、まさに「生きた時代絵巻」と呼ぶにふさわしいものです。「まるで江戸時代にタイムスリップしたようだ」と評される、非日常的で情緒あふれる光景が町全体に広がります。露店テント村も終日賑わいを見せるこの臨場感と歴史ロマンこそ、出石でしか味わえない醍醐味と言えるでしょう。

また、名湯・城崎温泉からも車で約30分というアクセスの良さも魅力。「昼は歴史ロマンに浸り、夜は温泉で寛ぐ」といった、充実した秋の旅程を組むことができるのも大きな魅力です。

2.歴史を感じるまち歩き ― 永楽館と桂小五郎の潜伏地をめぐる

お祭りの日ならずとも、出石の町は訪れる人々を魅了します。中心部での「まち歩き」は、この町を知る最良の方法です。
特筆すべきは、明治時代に建てられた芝居小屋「永楽館(えいらくかん)」。近畿最古の現存する劇場として知られ、現在もなお歌舞伎公演や落語会が催されています。最近では、話題となった映画「国宝」のロケ地としても注目を集めました。一歩足を踏み入れると、明治の息吹が感じられるような荘厳な空気が流れ、館内見学では、花道や舞台裏など貴重な空間を体感できます。
また、出石は幕末の志士・桂小五郎(後の木戸孝允)が潜伏した地でもあります。町の一角にはその史実を伝える石碑が静かに佇んでおり、歴史ロマンに思いを馳せる散策も一興です。

出石の街歩きにお得な散策パス!

この歴史あるまち歩きを、より一層楽しく、お得にしてくれる素敵な周遊パスが「イズパ」です。
例えば、名物「出石皿そば」の食べ歩きとスイーツ店を巡る「イズパ -スイーツ-」、城下町散策と地元の銘酒などを楽しめる「イズパ -ほろよい-」などがあります。もちろん、そば、史跡、地酒を網羅した基本的な「イズパ」も用意されています。
永楽館から、出石城跡や町のシンボルである辰鼓楼(しんころう)までも、すべて徒歩圏内。こうした便利なパスを片手に、歴史探訪の合間にグルメ散策を組み込むことで、出石の旅はさらに豊かな彩りを見せてくれることでしょう。

3.出石観光をより楽しむ旅のご準備に

11月の出石はこれから、一年で最も美しい紅葉のシーズンを迎えます。有子山(ありこやま)をはじめ、周辺の但馬の山々が燃えるように色づき、城下町全体をドラマティックに彩ります。

この時期、日中は20度以下、朝晩は特に冷え込みます。寒暖差に対応できるよう、調節しやすい上着を一枚ご用意いただくことをお勧めします。

観光のあとは、城崎温泉でゆっくりと湯めぐりを楽しむのもおすすめ。
歴史、食、温泉――但馬エリアの旅は、この季節ならではの特別な魅力にあふれています。

出石 有子山 紅葉

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