北前船の寄港地として栄えた竹野
日本海に面する竹野は江戸時代に北前船の寄港地として栄えた歴史あるまちです。
北前船とは、江戸時代中期から明治30年代にかけて大阪と北海道を日本海航路で結んだ帆船のこと。荷物の運搬だけでなく、全国各地の港に立ち寄り船主が荷主となって物資を売り買いしていました。船の出入りとともに人や物が行き交うことで、全国の文化が混成し、寄港地の経済や文化的な発展に影響を与えたと言います。
ジオパークの地形が北前船の文化が生んだ
一見関係なさそうな「ジオパーク」と「北前船」。実はとても大きな関係があるのをご存知でしたか?
「山陰海岸ジオパーク」とは京都府京丹後市、兵庫県豊岡市・新温泉町・香美町、鳥取県鳥取市・岩美町までの日本海に面する6つの市町から構成され、その地形や地質の貴重さからユネスコ世界ジオパークに認定されているエリアのことです。
ポイントは山陰海岸ジオパークの特徴ともいえる「リアス海岸」。
ノコギリ状の海岸線の地形が、日本海の激しい季節風をさえぎり、入江は北前船の風待ち港となったのでした。この天然の港が竹野の寄港地としての文化を育んだと言っても過言ではありません。
北前船と山陰海岸ジオパークの歴史を知りたい!かぜまちミュージアム
「ジオパークと北前船をもっと詳しく知りたい!」という方は北前館内部にある「かぜまちミュージアム」へ。
フロアへ入ると出迎えてくれるのがドドンッと大きな竹野エリアの3D模型。ここにプロジェクションマッピングの映像が流れ、日本列島の成り立ちや竹野の歴史をわかりやすく学ぶことができます。パネルや映像から楽しく学ぶことができるのが良いですね♪
ジオパークの地形は地球の歴史を物語るだけでなく、人々の暮らしや文化に直接結びついていることが実感できると思います。
吹き抜けの階段を上がっていくと、2階は北前船のフロアになっています。
北前船の基礎知識から竹野との関係性や文化などが展示されています。大坂では、瀬戸内海から山口県の赤間関を経て日本海方面に向かう船を「北前行き」と呼んでいたそうです。
壁面に展示されている鮮やかな色が目を引く「引き札」。「引き札」とは今で言うチラシ広告のことです。廻船問屋(荷主と船主の間で積み荷の取り扱いをする業者のこと)が取引先に配布していたそう。デザインがオシャレなのでじっくりと眺めてしまいますね。
五感で楽しむ山陰海岸ジオパーク
北前館のエントランスに併設された「たけのナビステーションKITAMAE」は竹野を楽しむための総合インフォメーションとなっています(冬季は休業)。ジオカヌー、シュノーケル、ダイビング、キャンプなど、竹野はアクティビティも豊富!あなたにピッタリの体験先を紹介してくれます。
夏場のジオカヌーの受付はここでも行っており、海の上から見るジオの景色は迫力満点!波の揺らめきや潮風の香り、岩肌の表情など陸で見るのとはまた違った海を体感できます。
また、北前館で楽しめる温泉も実はジオパークの恵み。温泉は大地の変動によってできたものなのです。大地の動きによってずれた断層は地下深くまで続いており、地下で温められた地下水が断層を通って温泉として湧き出ています。豊岡市は城崎温泉をはじめ温泉が点在している地域ですが、そんなところに秘密があったのですね。
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ぜひ北前館でジオパークと北前船の歴史を感じてみてください。