
床瀬のこだわり
竹野の中でも山深い床瀬地区は、豪雪地帯の兵庫県北部但馬地域の中でも、冬が長く厳しいことで知られています。
そんな床瀬の冬には昔から各家庭で地元のソバの実を使ってそば打ちが行われていたそう。全て地元の食材を使ったなんとも贅沢なそばが家庭には並んでいたそうです。
住民の男性の多くが冬季は出稼ぎに京阪神へ。昭和の但馬では当たり前だったそうですが、そんな中、床瀬地区では、村おこしの一環として、農家の主婦たちを中心にそば店を経営しようという機運が高まり、家庭内で食されていた地域の食材を厳選利用した贅沢なそばが世に出るようになったのです。
床瀬のそばの特徴は、つなぎとして床瀬で採れた天然の自然薯を入れていること。厳選された国内産のそば粉、風味豊かな自然薯、山から流れる綺麗な水からできるそばは、手打ちということもあり、洗練されているもののどこか懐かしさを感じることをできます。
また、そばとともに提供される囲炉裏を使った炭火焼料理も特徴。座席の真ん中にいろりが設置されており、地元産の鶏肉ややまめ、野菜を炭火焼で食べることが出来ます。



床瀬のそば店訪問
お昼時に床瀬地区を訪問すると、通り沿いに並ぶ4つのそば店から、炭火のいい匂いが漂ってきます。
峠道を抜けた後に急に開けて民家とそば店が立ち並ぶ様子は、異世界に迷い込んだよう!
各店舗からは、にぎやかな声が聞こえてきます。車のナンバーは地元より京阪神のものが多いようです。
いざ、そば実食!
今回は、床瀬地区の入り口にある「谷間そば」を訪問しました。
今回注文したのは、そば並盛とやまめの塩焼き。
やまめは囲炉裏の炭火でその場で調理します。
そばは手打ちにこだわったもので、薬味にはネギ、ワサビ、ゆず、ゴマがあり、味の変化を楽しめます。そばは、香りが強く「そば」をしっかりと感じることができますが、自然薯によって喉越しは非常にスムーズです。
やまめは、近隣の養父市ハチ高原産。新鮮なのでシンプルな調理が一番おいしく感じます。



谷間そばの田中さん
谷間そばを切り盛りされているのは、田中こずゑさんです。もともとは豊岡市内に住んでおり、実家の谷間そばの接客を休みにたまに手伝うくらいだったのですが、創業したお母さまが約40年前に急死。一時はお店をたたむことを決意されたそうです。
しかし、周りの友人や常連さんに引き止められ、そば店を継ぐことを決意しました。その後、1年間の修業を経て、現在2代目として接客から調理まで担っています。
床瀬のそば店紹介
1 谷間そば
今回訪問したそば店。実家のように落ち着く雰囲気とこだわりそばは絶品です。
〒669-6344
兵庫県豊岡市竹野町椒900
TEL:0796 48 0439
定休日:火曜日
営業時間:11:00~15:00

2 床瀬そば
床瀬そばは、挽きたて、打ちたて、湯がきたての三たて製法にこだわるそば店です。そばや焼き物に加えて、お任せコース(並そば、ヤマメの塩焼き、松葉肉、山菜の煮物、さしみこんにゃく、落花生豆腐、四季の酢の物)なども提供しています。
〒669-6344
兵庫県豊岡市竹野町床瀬
TEL:0796 48 0406
定休日:年中無休
営業時間:10:30~17:00(夜は予約制。要問合せ)

3 三椒庵
つなぎを一切使用せず、そば粉と床瀬の湧き水のみで作る十割そばにこだわるお店です。但馬産の源泉食材を使用しています。また別館では宿泊もでき、夕食・朝食と但馬の食材を堪能できます。
〒669-6344
兵庫県豊岡市竹野町椒1162-1
TEL:0796-48-0506
定休日:毎週水曜日(祝日の場合は営業し、翌日の木曜日に休業)
営業時間:11:00~15:00(完全予約制)

4 ふる里
名物店主谷口さんがいらっしゃるふる里は、そばをはじめ、郷土料理を提供しています。季節によっては、モクズガニや猪肉などが提供されることもあるとか。
〒669-6344
兵庫県豊岡市竹野町椒864
TEL:0796 48 0435
定休日:不定休
営業時間:11:00~17:00(目安)