豊岡市城崎温泉近くにある円山川漕艇場は、東京オリンピック2020大会に出場するドイツ・スイスボートチームの事前合宿地となっています。競技の中では強豪ともいえるチームが、なぜ東京の選手村から遠く離れた豊岡市の円山川を直前合宿地に選んだのでしょうか。
円山川は、総距離68km、流域面積1,300㎡の一級河川です。
源は兵庫県朝来市生野町円山(標高640m)で、養父市、豊岡市内を通り、日本海に注ぎます。
流域は、豊岡市、養父市、朝来市の3市からなり、但馬地方における社会・経済・文化をなしています。
流域内は山陰海岸国立公園や氷ノ山後山那岐山国定公園に指定され、日和山海岸や国指定天然記念物の玄武洞、城崎温泉、神鍋高原の他、出石城下町などの観光資源に恵まれ、京阪神を中心に数多くの観光客を集めています。下流部では地域を挙げて、国指定特別天然記念物のコウノトリを野生に戻す取り組みが進められ、円山川の豊かな河川環境を保全し、再生が始まっています。
国土交通省近畿地方整備局Webサイト
https://www.kkr.mlit.go.jp/river/kasen/maruyamagawa.html
円山川の特性は、流域の勾配が緩やかで川の流れが比較的遅く、横幅が広いことが挙げられます。
河口から遡って玄武洞までの約8kmの区間の標高差は1m未満、川幅は200~500m、最深部でも5m未満と浅い川となっています。
参考:小林文夫・先山徹「山陰海岸ジオパーク現地見学基礎資料—円山川下流域—」(2011年)
https://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin/HN22_09_67_80-1.pdf
そのため、海水と真水が交ざる汽水域の範囲が広く、多様な生物が生育するといことで近畿の一級河川の中では、植物や魚類の種類が最多ともいわれています。反面、降水量が多い時には増水した水がなかなか海へ排出されずに災害が起こりやすいエリアでもあります。
円山川漕艇場は上記のような緩やかな勾配、遅い流速、広い川幅という地形で、公益社団法人日本ボート協会公認Bコースに認定されています。この公認コースは全国で43か所(2021年版)、兵庫県に2つあるうちの1か所が円山川漕艇場であり、北近畿で唯一の公認コースとなります。
古くからインターハイ、国体のボート競技会場として、多くのボートファンに愛されています。
豊岡市がインバウンドに注力し始めたころ、インバウンド観光施策のターゲットは、欧米豪を中心に展開していました。中でもフランスに対しては、英語サイトとは別にフランス語サイトも立ち上げ、誘客に力を入れていました。そこで、豊岡市の方針は「フランスをはじめとした海外ボートチームを豊岡市へ誘致する」となりました。
2016春、ボート日本代表コーチにフランス人の Xavier DORFMAN(ギザビエ・ドルフマン)氏が就任(シドニー五輪軽量級舵手なしフォア金メダリスト)、同年10月には円山川城崎漕艇場を視察しました。
2017年2月、FISA(国際ボート連盟)臨時総会が東京で行われた際、フランスボート連盟会長 J.MULOT氏らと当時の市長が面会しました。その際に、日本代表コーチであるギザビエ氏からは日本代表合宿地の打診を受けています。
この総会で、フランスをターゲットに豊岡市/円山川のPRブースを出展し、各国にもアピールしました。
これが功を奏、ドイツ関係者がブースに立ち寄り、プレゼンすることができました。
◀左からギザビエ氏、中貝元豊岡市長、J.MULOT氏
ドイツボート連盟(2017年11月)に円山川視察
FISA臨時総会PRブースに立ち寄り関心を持ったことがきっかけ
・スイスボート連盟(2018年8月)に円山川視察
ドイツとの情報交換から円山川に関心を持ったことがきっかけ
円山川の環境や城崎温泉での受け入れ体制を視察、豊岡市とオリンピックの事前合宿に関する協定書の調印に繋がりました。
オリンピックは新型コロナウイルスの影響で1年延期となり、事前合宿もそれに伴い延期となりました。
ドイツ・スイスチームは2021年7月に城崎入りし、オリンピック直前の合宿を行いました。
このサイクリングツアーでは、温泉街・日本海・円山川やコウノトリが舞う湿地と、いろいろな彩りを見ることができます。通常の観光では訪れない隠れた魅力スポットを満喫。綺麗な空気の中、思いっきりリラックスして、サイクリングを楽しんでください。
・所要時間:約3時間30分
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詳細はこちらからご確認ください。
・兵庫県立円山川公苑
http://www.maruyamagawa.com/(外部サイト)