震災復興100年
エリアで取り組む、災害に強いまちづくり【城崎温泉】

令和2年(2020)、開湯1300年を迎えた城崎温泉。
志賀直哉の小説「城の崎にて」の舞台となっているこのまちは、大谿(おおたに)川沿いの柳並木や川に係る太鼓橋、外湯など昔ながらの風情を残す温泉地です。

大きな被害をもたらした北但大震災

震災直後の地蔵湯からみた大谿川の様子

大正14年(1925)に発生したマグニチュード6.8の北但大震災。旧城崎町では約8割の家屋が倒壊、焼失し、多くの犠牲が出ました。

震災からの復興

震災前の城崎温泉の街並み

火災予防のため、一の湯や町役場、警察署など一部の公共施設は鉄筋コンクリートで再建されました。
一方で、何世紀にもわたって受け継がれてきた街の景観を残すため、木造3階建て以下の旅館や家屋も再建されました。

共存共栄の精神

審査気前の城崎温泉全景 ©但馬丹後震災画法 提供:豊岡市歴史博物館

何度も行われた町民会議の末、地権者が土地の一部を無償で提供することが決定され、防災・減災のため、そして車社会の到来を見越し、道路幅が2倍に拡張されました。
城崎温泉街の中心を流れる大谿川の川幅の拡幅、護岸をかさ上げし、水害への備えも行われました。

壊滅的な被害を受けたにも関わらず、復興し、日本有数の温泉地となったのは、「共存共栄」の理念があったからです。

城崎町全体を一つの旅館とし、駅は玄関、道は廊下、宿は客室、土産物屋は売店、飲食店は食堂、外湯は大浴場といったように、まち全体でお客様をおもてなしする精神があります。

これからの城崎

これからの100年を見据え、まちはさらなる発展を遂げます。新城崎大橋が開通し、安全性、観光周遊性が向上しました。将来的には整備中の山陰近畿自動車道との接続も想定されており、関西圏など広域からの誘客促進につながる見込みです。

『城崎レジリエンスマニュアル』が策定
ジャパン・レジリエンス・アワード2026「最優秀賞」を受賞

かつて城崎温泉を襲った北但大震災の発生から100年の節目で、城崎温泉を構成する観光関連事業者が連携して実施すべき「防災」と「事業継続」、「より良い復旧・復興」の取り組みをまとめた「城崎温泉観光レジリエンスマニュアル」が作成されました。
このマニュアルは、城崎温泉を構成する観光関連事業者が連携し、様々な機器や自然災害に立ち向かうために必要な事項をわかりやすく記載されています。

外国人を含め多くの観光客が訪れる城崎温泉では、2025年度大きな火災もあり、また地震や水害などの自然災害が起きた際に、観光客をどのように避難させるかは、現場合わせでやっていた面が多くありました。「安心安全な観光地」というところを今後の城崎温泉の魅力の一つとしていくこともあり、市のみならず関係団体や事業者、専門家の意見を聞きながら作成されました。

このマニュアルが、ジャパン・レジリエンス・アワード2026の「最優秀賞」を受賞しました。
行政と地域が一緒になって作った観光分野におけるレジリエンスマニュアルは日本初のものになります。

ジャパン・レジリエンス・アワードとは

ジャパン・レジリエンス・アワードは、強くしなやかな国づくり、地域づくり、企業・産業づくり、ひとづくり等に資する活動・取り組みを表彰するものです。
防災・減災・国土強靱化に資する技術、製品、サービス等の開発、販売を実践している企業、団体、地方自治体を表彰する強靱化大賞、優れた国土強靱化地域計画の計画策定及び改訂を実施された地方自治体を表彰する地域計画賞の2つのカテゴリがあります。

城崎レジリエンスマニュアルは、強靭化大賞の部門で最優秀賞と受賞しました。