伝統産業を訪ねる

鞄探しのスタートはここから【Toyooka KABAN Artisan Avenue】

ちょっとお気に入りの鞄を探しに……そんなお目当てがあって豊岡を旅するという人も増えているこの頃。まず訪れてほしいのがカバンストリートにある「Toyooka KABAN Artisan Avenue(トヨオカカバンアルチザンアベニュー)」です。“職人の喜び” をテーマにした鞄の街の拠点施設で、メイドイン豊岡のアイテムのみを扱うセレクトショップや鞄職人を育てる専門校が入っています。まずはここでじっくり豊岡のクラフトマンシップを体感しましょう!

2014年にオープンした「Toyooka KABAN Artisan Avenue」。豊岡鞄のルーツ柳行李(やなぎこうり)をモチーフにした外観

産地で買うのがいいんです!

1階の「Toyooka KABAN Artisan Atelier(トヨオカカバンアルチザンアトリエ)」では、地域ブランド「豊岡鞄」の認定商品をはじめ、豊岡で生産された鞄、財布、革小物など、20 社以上の約250 アイテムを販売。ここでしか買えないものや最新のトレンドにも出会えます。
手にとって触り心地や内装をチェック、ここが大事です!長く愛用できる一品を見つけてください。
スタッフから各メーカーの思いや品質を裏打ちするディープな話が聞けるのも産地ならではのポイントです。

廃棄漁網から再生した生地を使ったバッグ。各メーカーのサスティナブルな素材も注目される
3階の「Toyooka KABAN Artisan School(トヨオカカバンアルチザン スクール)」。1年制で全国から職人志望の幅広い世代が集まる。卒業生のおよそ半数が豊岡の企業に就職

音で感じるモノづくりの現場

1 階のショップで買い物していると、時折トントンと何かを打つ音が響いてきます。
「3 階のスクールで作業する音を階下に響かせる構造になっているんです」と教えてくれたのは、スクールを運営する豊岡まちづくり株式会社の田中さん。希望すればフロアの案内もしてくれるそうです。鞄製作の現場が見られる貴重な体験もぜひ!

ミシンは1人に1台
豊岡の企業から寄付された生地や革とスクール生の課題作品。一見プロ並み!
豊岡まちづくり株式会社の田中さん(左)と天野さん(右)

レディースブランド続々

アルチザンではオリジナルブランドも展開していますが、その商品開発を通じて、近年豊岡の鞄業界にある変化が起こっているといいます。豊岡まちづくり株式会社の天野さんにお話を伺いました。
「元々メンズバッグを得意とするメーカーが多い豊岡では、レディース商品の開発が課題でした。そこで、Artisan がオープンした2014 年に、東京から女性デザイナーをお呼びして「BELCIENTO(ベルチェント)」というレディースブランドを作りました。1 つのブランドですが、メーカー9 社が互いに得意な形をブラッシュアップしながら20 を超えるアイテムができたんです。お客様にも好評でした」。
そこから、製造企業各社がオリジナルのレディースアイテムを次々と生産し、現在は主力だったメンズ商品をしのぐ勢いだそうです。ショップのラインナップも充実していて、一点一点コンセプトを知るのも楽しい!

ユーザーとメーカーをつなぐ

「産地ならではのメーカーとショップの距離感だからこそ生まれたブランド商品もあります」と天野さん。
2022 年に立ち上げたオリジナルブランド「Hamoni(ハーモニー)」は、「こんな鞄がほしい」というお客さんとスタッフのやり取りからスタートしました。ディティールにこだわって完成した革のショルダーバッグは幅広い世代に売れているそう。
「お客様とメーカーをつなぐのが私たちの役割。この関係を活かしてどんどん新しい商品を作っていきたい」と話します。
ぜひあなたの声も現場に届けてみては!

ユーザーのニーズを形にした「Hamoni」のショルダーバッグ

「伝統産業を訪ねる」スポットの楽しみ方

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