ますます進化する? 豊岡旅幸の 次なる姿とは

プレミアムな体験の入口として

——豊岡旅幸券が始まって、3年目になりました。広く好評を博しているとのことですが、どのような実感を得ていますか?

佐野

ありがたいことに、現時点、毎月過去最高をずっと更新している状況です。「1,000円券と10,000円券があるのが使いやすい」という言葉いただいています。食事をしたり、体験したり、宿泊に使ったり、用途に合わせて選んでいただけています。

宮垣

加盟店の数は、まだ増加傾向にありますが、もうずいぶん充実しているんです。そろそろ次の策があるといいなとも思っていて。たとえば10万円券とか、100万円があってもいいかも。プレミアムな「豊岡旅行券ブラック!」とか。

川角

豊岡旅幸券を使ってくれた方限定で、なにかを提供できる仕組みとかあってもいいなと思いますね。例えば、「コウノトリの郷公園バックヤードツアー」みたいな。広く提供することは難しいものを、用意させていただくような。

小林

城崎珈琲のみはらしテラスカフェで焙煎体験ができる、とかあったら嬉しいですよね。自分で焙煎した珈琲をお土産にしたりして。普通に旅行したら味わえない豊岡に出会える価値は、魅力的ですね。

魅力に溢れている豊岡のおだやかな日常

——最後に、皆さんの目から見た豊岡の魅力、価値についてお聞かせください。

宮垣

豊岡の歴史や文化ももちろん味わって欲しい。でも最初にあるのは、やっぱコウノトリなのかな、って思っています。初めて豊岡に来た人がコウノトリを見つけると、「あ!いた!」って、みんな急に顔が変わるんです。すごく盛り上がる。そこから豊岡という場所に興味を持ってくれる人がたくさんいます。

小林

車に乗っているときに、バーッと飛んでいたら「めっちゃラッキー」って思いますよね。初めて見た人は「思ったよりでかいぞ!」とか「え、あれはサギなの?」とか車内は大盛り上がり。何度か遭遇すると、だんだん違いも見分けられるようになる。市中のあちこちに設置されているコウノトリの巣塔も楽しいですよね。見かけると、ついつい「今日はいるかな?」って確認しちゃう。一回絶滅しているっていう事実も、特別なものに触れたという気持ちになりますよね。そんな貴重な鳥が、日常の中にいる町が豊岡なんだなって。

佐野

私は長いこと豊岡に住んでいるのですが、「この風景好きだなあ!」っていう場所がいくつかあるんです。毎日、「今日もこの景色見られるんだ」っていうことが、個人的な幸せです。そんな、自分だけのお気に入りの景色を豊岡を訪れた皆さんにも見つけてもらえたら嬉しいですね。

川角

これだけ多彩なものがぎゅっと詰まっている街って、なかなかないと思うんですよ。コウノトリに出石、鞄や温泉街。海も山もひとつの町にぎゅっと詰まってるっている。そんな幸せを味わって欲しい。
季節によって違う表情を見せるから、何度来てもらっても楽しんでもらえると思います。

宮垣

豊岡旅幸券を作っているときに、感じていたことがあったんです。豊岡の人って、外から来たものもあまりじゃまにしない感じがあるんですよ。今回も僕たちがイメージしていたものを、東京で活躍している小林さんに形にしてもらった。完成したものは、まちがいなく僕らだけでは作れなかったものです。こういった、いろんな考えを持った人が集まって、知恵を出し合うことが大切だということが根付いているから、豊岡旅幸券も今の形に定着できたのかなと思っています。

たくさんの人に「豊岡旅幸券」を使ってもらうことによって、僕らが想像もしてないような、新しい幸せの形が、生まれたらいいなと思います。人だけでなく、さまざまなものとの出会い、さまざまな結びつきのきっかけになるといい。この関わりあいが何かっていうと、それこそが「大交流」なのかもしれません。

人々がさまざまな形で出会う「大交流」を
旗印とする街、豊岡。
その関わり合いの中から芽生えるものは、
いつだって未知数です。

しかし、そのような
実を結ぶか分からないものにも目を凝らす
文化があることこそ、
豊岡が「元気ローカル」として歩み続ける
ことができる理由のひとつなのでは
ないでしょうか。

豊岡旅幸。

その「幸」が語るものは、
そんなさまざまな変化を味わう時間の中に、
豊かに詰まっているのかもしれません。

完
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